医療保険という洗脳?

医療保険という洗脳?

新規就職すると職場に保険のおばちゃんが飴玉もって現れて新社会人に向けて保険加入を進めてきますがちょっとまった!
その保険は本当に必要ですか?

というのと多くの方が加入していると安心と思っている医療保険の落とし穴。
医療保険の構造的欠陥について書いてみたいと思います。

医療保険を考えるポイント。

通常の日額いくらという医療保険ですが、「保険として機能しない構造的欠陥」があります。

医療保険は基本的に下記の縛りがあります。

*入院支払い限度日数
1入院あたりの支払い限度日数があります。
通常60日や120日となっています。
また、入院後に同じ病気が原因で180日以内に再入院した場合には1入院とみなします。

例:1
日額1万円の保険の場合、1入院最大60万+手術費用+(オプション:差額ベッド代金)になり、60万~となります。
例2:
日額1万円の保険で最初の入院で30日、3ヵ月後に同一の病気で再入院して50日入院した場合には1入院として計算されますので合計80日入院することになりますが保険ででるのは60日分のみとなります。
詳しくは公益財団法人生命保険文化センターまで

*通算支払い限度日数
総トータルの支払い日数で複数の入院を繰り返しての支給限度日数で、通常1000日や1095日となっています。およそ3年分。
これを超えた場合には終身保障の契約であっても保険は支払われません。

ですので、「終身医療保険」でも一生涯安心というわけではありません。

一例として
ライフネット生命の終身医療保険、「新じぶんへの保険」で

30歳男性が終身保障で65歳まで払い込む
60日タイプ入院給付金:日額10,000円
保険料払込期間:65歳
先進医療保障:あり
手術給付金:あり
通算1025日

の場合で試算すると、保険料が
7,312円/月ですので
87,744円/年です。
これを35年間払い続けると支払い総額は
3,071,040円となります。

1入院最大60万のために65歳までのあいだに300万を払うと言う計算になります。
300万円を払って最大で1025万円分の補償を買うと言うことになります。

率でいうと3.41倍です。健康であれば300万円が安心代に消えると言うことです。(本当は保険会社の利益)

しかも、今の病院は14日以上入院すると保険点数がさがるので極力14日以内に退院させて通院治療と言う方針です。
そして、高い入院基本料を取り続けるには、入院患者の平均在院日数は18日以内で重症患者が全体の15%という条件があります。
これを満たさないと、高い診療報酬を取れなくなるため、短い入院が増えているのです。

そしてとても国民のためになる制度、「高額療養費制度」があります。
どんなに高額な医療費がかかっても一般的なサラリーマン(年収370~770万の場合)であれば自己負担は月額87430円で済むのです。

もしも3ヶ月以上にわたる入院であれば4ヶ月目からはさらに「多数該当」と言う制度によりさらに自己負担額が引き下げられます。
詳しくはこちらまで(協会健保)

ですので上記のことをきちんと認識した上で、それでも敢えて医療保険に加入するならば、

・10年更新の実費保障型
・国民共済などの最低限のもの
・高齢になったときをカバーするために、保障期間は終身保障
・いつ死亡するかは誰にもわからないので、支払期間は損得のない終身払い
・契約終了のリスク回避のため、特約ではなく主契約で

といった内容のものをお勧めします。

そもそも保険とは小額の掛け金で万が一のときに備えるものです。

自動車保険は対人対物無制限で年額3万×50年として支払い総額150万円に対して事故が起きたときの補償は1億から無制限。

火災保険の場合も建物2000万円、家財1000万円の保険に住宅ローン期間35年と同期間加入すると、年額2万円×35年として70万円になりますが補償額は3000万円になります。

率で考えると
医療保険:3.42倍
自動車保険:66.66倍
火災保険:42.86倍

となり、自動車事故や火災に比べて病気になって保険で払う確立が多いのも割高な原因です。

本来保険と言うのは相互扶助の精神で始まった物ですが、現代では保険会社のビジネスとして営利企業が営むものとなっており保険本来の志からは逸脱してきています。

特に昨今の保険商品は基本契約に対して特約が多数ついていたり、本来の契約の内容がとてもわかりずらく設計してあったり、見かけ上はいい保険のように装おっておきながら実際には使えない保険だったり(心筋梗塞、脳卒中の60日ルールなど)と落とし穴がたくさんの商品になっています。

ですので最低限の保険に安く加入して万が一のときのための貯蓄をしていくのが一番賢い選択だと思います。
貯蓄していった場合には「万が一」でなく「万に9999」の為に使えますし、その貯蓄を増やしていくこともできます。

定期付終身保険やアカウント型保険に入っている場合には内容をきちんと精査してみましょう!!

保険見直しのご相談、貯蓄を増やすご相談はこちらまで。

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